千歳烏山でイタリアン

ハーブのような癒やされる優しい香りを感じられる自家製パン、小麦の風味もしっかりと残っております。
そのまま何もシーズニングせずに食べる、あるいは、パスタやメインディッシュのソースに浸して食べても楽しめると思います。

田中シェフのこだわり前菜盛り合わせ、スズキのカルパッチョを中心に、全6種の前菜が盛り付けられておりました。
トマトとズッキーニのサラダ、ファッロ（スペルト小麦）のような小麦と人参を使ったクミンで仕上げたサラダ、生ハムとオリーブのサラダ、牡蠣のマリネ、オムレツ（中身を失念しました）と盛りだくさんです。

「Corso Speciale」では、本日のアーリオオーリオ、本日のトマトソースのいずれかのスパゲッティが選択できます。
今回は、しらすとルッコラのアーリオオーリオを選びました。

ガーリックとオリーブオイルの配分が絶妙で、パスタの茹で方も秀逸なスパゲティだと確実に感じられると思います。
しらすやルッコラといった具材の存在感もしっかりと表現された逸品でした。
素朴ながらも、深い味わいがしますので、複数人で食べると会話が弾むでしょう。

2品目のパスタ料理は、ボローニャ風ラグーソースのほうれん草を練り込んだパッパルデッレでした。

牛肉と豚肉の合い挽き肉、イタリア産のトマト、赤ワイン、クリーム（牛乳）など使ったソースなので、日本人にとっても非常に馴染み深い味わいだと思います。
いわゆるミートソースの一種ですが、非常に複雑な旨味が凝縮されたソースですので、ゆっくりと、それらの旨味成分を堪能することで、より至福のひとときを過ごせると思います。
パッパルデッレの独特なテクスチャも楽しめる逸品です。

メインディッシュは、黒毛和牛のイタチト風赤ワイン煮込み、または、越後もち豚のイタリアンローストのいずれかが選べましたので、前者にしました。
なお、「イタチト風」という表現は、「イタリア風」に相当します。

赤ワインで煮込まれているため、部位は肩ロースだと思われますが、非常に柔らかく、肉の旨味が一辺3cmほどのブロックに凝縮されておりました。
また、ビタミンCが豊富で、貴重なビタミンEも含まれる万願寺唐辛子を和牛と交互に口することで、お肉の味わいを何度でも嗜むことができると思いいます。

選べる本日のドルチェ、4種類から選べますが、一番甘味が弱いと思われたプリンのドルチェを選びました。
若干に苦味をプリンに含ませることで、プリンそのものの旨味や甘味を引き立てるだけではなく、バニラやイチゴの風味を豊かに仕上げておりました。
全体的なバランスが巧妙だと感じました。

食後のドリンクは、ホットコーヒーを選択。
卓上にカップが運ばれた時、コーヒーカップの持ち手が左右のどちらに向いているか内心気にしていました。
取っ手を右に向けるのは「アメリカ式」、左にするのは「イギリス式」と言われています。
一方で、イタリアでは、多くの方の利き手である右手で飲みやすいようにする、という考えから、このように右にすることが多いそうです。
複数人で飲食する際には、グラスやカップの持ち手がどちらになるかを予想するのも楽しいかもしれませんね。