宇都宮テラスの「天使の中庭」

イタリアでは、ワインのおつまみのことをAperitivo（アペリティーボ）と呼びます。
まずは、食前酒（カクテル）を栃木県産三元豚の生ハムと一緒に味わいます。
体験型のシチリアエクスペリエンスを楽しめる点は魅力的ですね。

「Aperitivo」は、「Winery」、つまり、ワイナリーで食事をします。
ワインの試飲も兼ねて、ポモドーロ、イカ墨のパフライス、アランチーニの3種類と共に楽しめます。
ポモドーロはトマトのことですが、カマンベールチーズをトマトの形に成形しております。
イカ墨のパフライスはイカ墨を使ったフライドポテト、アランチーニはライスボールを揚げた料理のことです。

Antipastoは前菜、その日は、「マグロのマリネ 赤玉葱とカラスミ」でした。
このタイミングで、「Winery」からテーブル席へ移動します。

酢や油、調味料などを混ぜ合わせたマリネ液に漬け込んだマグロは、日本の「漬けマグロ」とは異なり、カルパッチョのような酸味を伴う爽やかな味わいに仕上がっております。
赤玉葱と一緒に、カラスミを付けながら食べると、さらに妙味のある味わいとなります。

続いて「Primo Piatto」、イタリア語で「第一の皿」を意味し、イタリア料理では、コース料理の中の、前菜と主菜の間に出される料理のことです。
「第一の皿」ですが、2種類のパスタ料理が登場します。
まずは、「フィジリ　タコのラグー ほうれん草」が卓上に運ばれました。

フィジリとは、螺旋状の形をしたパスタのことで、タコのラグーとは、トマトソースでタコを煮込んだ料理のことです。
螺旋状の形のパスタは、ソースとよく絡みますので、タコの旨味やトマトの酸味、ほうれん草のアクセントが奏でる味わいを最大限に味わうことができました。
また、螺旋状の形の独特な食感も楽しめました。

2皿目のパスタは、「フォルファッレ　小松菜　ヤシオマス」です。
フォルファッレは、蝶ネクタイのような形をしたパスタ、ヤシオマスは、栃木県のブランド魚（淡水魚）です。

パスタは蝶ネクタイのような形をしておりますが、お皿の中心部とその周辺部では異なる形状のため、食感も違います。
また、ヤシオマスは栄養素が身に集約しますので、小粒ながらも、旨味が凝縮されております。
その旨味が小松菜のソースにより、さらに引き立てられており、絶妙な味わいと食感を楽しめるパスタだと感じました。

イタリア語で「Secondo Piatto」は「第二の皿」という意味で、メインディッシュとして提供される料理のことです。
魚料理、豚肉料理、牛肉料理の3種類から選べますが、「レモンの葉と焼き上げた鮮魚 ブロッコリー」にしました。

鮮魚は冬の魚、鱈です。
噛むほどに旨味が口の中に溢れる白身魚、ブロッコリーのソースがその旨味に対して秀逸なアクセントとして働いておりました。
白ワインだけではなく、赤ワインとの相性も抜群な料理だと思います。
魚料理、豚肉料理、牛肉料理のいずれも季節によって内容が変わるそうです。

余談ですが、ライ麦パンも卓上に運ばれます。
パンを千切って、オリーブオイルに浸して味わいます。

イタリア語で「dolce」は甘い、優しい、柔らかいなどの意味も持ちますが、メニューでは「デザート」として使われております。
その日は、イタリアの伝統的なチョコレートケーキ「トルタカプレーゼ　赤ワインソース」でした。
カプリ島が発祥の地とされ、その名を冠しており、アーモンドパウダーをベースに作られているため、グルテンフリーのケーキとしても楽しめるデザートです。
添えられている苺は「とちおとめ」です。