目次
対話型AIを使った検索について
米マイクロソフトは2023年5月4日に、対話型の人工知能(AI)を搭載した検索エンジン「Bing(ビング)」の一般公開を始めたと発表しました。「ChatGPT」という対話型AIを開発したOpenAIの技術を取り入れています。
最新の学習データに加えて、画像の自動作成機能も搭載されているようです。
検索市場で9割のシェアを持つ米Googleへの大きな対抗策となるか、今後の動向が注目されます。
対話型AIを使った検索
Bingの対話型AI検索

AndroidとiPhoneの両方に、Bingアプリが提供されておりますので、ダウンロードして利用できます。 対話型AI検索を利用する場合、Bingにサインイン(アカウントがなければサインアップ)する必要があります。この際、生年月日や性別などの個人情報の入力が求められます。

Bingの対話型AI検索では、様々なスタイルを選択できます。例えば、「より創造的に」、「よりバランスよく」、「より厳密に」といったスタイルがあります。(ChatGPTでも、質問文で「より創造的に回答してください」といった要求ができますが、それと同様の機能があると思われます。) 今回、私は「ワンピースのかむさりという技について教えてください」という質問をしてみました。

このように、Bingの対話型AIはChatGPTのように「神避(かむさり)」について回答してくれました。
回答には情報の引用元や、参考となるサイトへのリンクも案内されるようですね。

Bingの対話型AIでは、参考となるサイトへのリンクだけでなく、「覇王色の覇気って何?」など、利用者が次に質問する可能性のある候補も提案されるようです。 また、質問した直後に、「応答を一時停止して」といった案内も表示されますが、回答を得るまでには、通常数秒かかることがあります。
ChatGPTの見解
「対話型AIを使った検索」について、気になる点がありましたので、直接本人である「ChatGPT」に問い合わせました。まずは、Google検索でも対話型AIを採用する方向のようですので、将来的には対話型AI検索が主流になる可能性があります。
その場合、ユーザは対話において必要な情報を得ることができるため、メディアコンテンツのリンク先に移動する頻度が減っていくという懸念が生じます。その懸念について、ChatGPTに質問してみました。

ChatGPTの見解では、ユーザーはより直感的かつインタラクティブな方法で情報を取得でき、複数のウェブサイトを閲覧する必要がなくなるため、時間と手間が節約されるというメリットがありますが、ユーザーがリンク先に移動する頻度が必ずしも減るとは限らないとのことです。
具体的には、特定のトピックに関するより詳細な情報が必要な場合、ユーザーはリンクをクリックして関連する記事やサイトにアクセスすることがあります。また、対話式AIが提供する情報が不十分である場合には、ユーザーが自ら調査を続ける可能性も想定されています。
一方で、対話式AIを使った検索により、ユーザーは必要な情報を得ることができるため、「情報量が少ないコンテンツ」、つまり「漢字の読み方や熟語の対義語など、そのページ内にまとまっている情報が簡潔にまとめられたコンテンツ」への閲覧数は明らかに減少すると思われますが、ChatGPTに確認してみました。

ユーザーが必要な情報を簡単かつ迅速に得られるようになった場合、そのページ内にある情報を得る必要がある場合でも、ページビューが減少する可能性があると同意している一方で、対話式検索が提供する情報が不十分であるため、その簡潔にまとまったページへのアクセス数は増える可能性も示唆されています。
なお、ChatGPTは「現象」を「減少」と誤記をしても、正確に理解することができるようです。
また、Bingで利用されているChatGPTと、OpenAIが展開しているChatGPTとの学習データの違いについても、ChatGPTに質問してみました。

ChatGPTの学習データは2021年9月までのものであり、Microsoft Bingにおける最新の変更やアップデートについては把握していないとのことです。
また、Bingの対話型AIの学習データやモデルの詳細はMicrosoftによって保有されており、一般には公開されていないため、引き続きBingでの対話型AI検索を利用し、そのアップデートの動向に注視していきたいですね。
まとめ
Bingで導入された対話型AIによる検索を使って、いくつかの疑問点をChatGPTに質問してみました。最も気になる点は、ユーザーがBingの対話において直感的かつインタラクティブな方法で情報を取得でき、時間と手間を節約できるというメリットがあると考えられます。
しかしながら、ユーザーが複数のウェブサイトを閲覧する必要がなくなり、また、対話によって十分な情報が得られた場合、情報元となるサイトへのアクセス数が減る可能性もあります。この点から、コンテンツを提供する側にはデメリットも存在します。
「対話型AIによる検索」の主流化に伴い、今後はインターネット上でのコンテンツの運用方法についても検討し、変化に対応していく必要があるかもしれませんね。