ChatGPTの日本語に対する自然言語処理について

ChatGPTの自然言語処理 ChatGPT

目次

「ChatGPTの自然言語処理」について

ChatGPTは強力なツールですが、その回答は入力情報や文脈に基づいて生成されるため、利用者が適切な情報を提供し、適切な質問をする必要があります。
スキルや知識が要求される場合もあります。
特に重要な情報や専門的な質問に対しては、利用者が検証や追加のリサーチを行う必要がありますが、まずは、ChatGPTで日本語を使う上で意識すべきことを、本人であるChatGPTに質問してみました。

日本語の自然言語処理

主語の省略

日本語でのコミュニケーションにおいて、日常会話だけではなく、文章でも主語を省略してしまう機会が少なくありません。
そこで、主語が明確でなくても同じ意味となる文章の自然言語処理の難易度について、ChatGPTに質問してみました。

(例えば、『私は、その駅まで、走ります』
『その駅まで走ります』
『私、その駅まで走ります』
の3つの文章は日本語では同じ意味ですが、日本語の自然言語処理が難しいのは、主語が明確でなくても同じ意味となるのが原因なのでしょうか?)
(日本語の自然言語処理において主語の省略があるため、文脈や言い回しによって主語が明確でなくても意味が通ることがあります。この省略は、文を短くし、効率的に情報を伝えるために一般的に使用される言語特徴です。
例えば、「私は、その駅まで走ります」という文では、主語の「私」が明示されています。しかし、「その駅まで走ります」という文では主語が省略されています。この場合、話し手が前の文や文脈から推測することで主語が「私」であることが理解されます。
日本語の自然言語処理では、文中の省略された主語や文脈を適切に解釈することが重要です。これは機械が人間と同様に文章の意味を理解する上での難しさの一因です。人間は経験や常識を活用して主語を推測したり、文の意味を補完したりすることができますが、コンピュータにはそのような知識がないため、正確な解釈が難しくなります。
自然言語処理の技術は進歩しており、機械学習や人工知能のアルゴリズムの発展により、より正確な文の解釈や文脈の理解が可能になってきています。しかし、まだ完璧な解決策ではなく、文脈による曖昧さや省略の解釈は課題の一つとして残っています。)

ChatGPTによれば、効率的な情報伝達において一般的に使用される言語の特徴を考慮した上で、人間は経験や常識を活用して主語を推測したり、文の意味を補完したりすることができます。
しかし、コンピュータにはそのような知識がないため、正確な解釈が難しくなるとの回答がありました。

日本語の自然言語処理においては、文中の省略された主語や文脈を適切に解釈することが重要です。
高い精度の文章生成を要求する場合、ChatGPTにおいては主語などを省略せずに記述する方が望ましいと考えられます。

日本語の自然言語処理が難しい要素

さらに、ChatGPTによれば、日本語の自然言語処理において「文字システムの複雑さ」、「文法の複雑さ」、「敬語の使用」、「語彙の多義性」という4つのポイントが難しいと回答がありました。
そこで、それぞれのポイントについても例を交えて質問してみました。

(上旬の『文字システムの複雑さ』、『文法の複雑さ』、『敬語の使用』、『語彙の多義性』につきまして、例を提示してください。)
(もちろんです。以下にそれぞれの要素に関する具体的な例を示します。
1. 文字システムの複雑さ:
日本語の文字システムには、ひらがな、カタカナ、漢字があります。これらの文字が混在することがあります。
例: 「日本語の習得には、ひらがな、カタカナ、漢字の勉強が必要です。」
2. 文法の複雑さ:
日本語の文法は他の言語に比べて複雑であり、特に動詞の活用形や助詞の使用などが挙げられます。
例: 「彼は昨日、本を読んだ。」(過去形の動詞活用と助詞「を」の使用)
3. 敬語の使用:
日本語には社会的な関係や立場に応じて使用する敬語があります。話者と聞き手の関係によって敬語のレベルが変化します。
例: 「お元気ですか?」(丁寧な表現)
4. 語彙の多義性:
日本語には多義性のある単語が多く存在し、文脈によって意味が異なる場合があります。
例: 「彼女のバンドはライトな音楽を演奏する。」(「ライト」が「明るい」という意味で使用されている)
これらの例は、日本語の自然言語処理が難しい要素を示しています。機械がこれらの要素を正確に解釈するためには、豊富な言語データや文脈を考慮する処理が必要となります。また、特定の文脈や専門用語など、さらに複雑な例も存在しますが、上記の例が一般的な要素を示すものです。)

ChatGPTによれば、「文字システムの複雑さ」については、ひらがな、カタカナ、漢字の混在があります。
また、「文法の複雑さ」においては、動詞の活用形や助詞の使用が挙げられます。
さらに、「敬語の使用」については、話者と聞き手の関係によって敬語のレベルが変化する点が難しいです。
「語彙の多義性」については、多義性のある単語が多く存在し、文脈によって意味が異なる点が難しいとされています。

特に「文字システムの複雑さ」においては、ひらがな、カタカナ、漢字に加えてアルファベット(ローマ字)を使うこともありますので、さらなる複雑性が生じることが考えられます。
また、人間である以上、誤字や脱字などのミスも発生する可能性があるため、日本人同士のコミュニケーションにおいても齟齬が生じることが、ChatGPTとのやり取りにおいても起こり得ます。

英語での自然言語処理の難しさ

余談ですが、日本語だけでなく英語でも自然言語処理が難しい場合があります。
例えば、”He read the book yesterday.”の場合、”read”が過去形か現在形かを判断するには”yesterday”が必要ですし、”I never agree with him.”の場合、”with”と”to”の前置詞の選択によって意味が異なります。
そこで、ChatGPTに自然言語処理が難しいのは、日本語だけでなく英語でも同様なことが言えるかどうかを質問してみました。

(「彼は昨日、本を読んだ。」は、英語で

ChatGPTによれば、英語でも自然言語処理において複雑さが存在し、文脈や単語の選択によって意味が変わることがあると回答されました。
英語も他の多言語と同様に、機械が正確に解釈するためには豊富なデータや文脈の考慮が必要なようです。

言語処理の困難さは、各言語の独自の特徴や複雑さによって異なり、英語も日本語と同様に自然言語処理が難しい言語の一つとされています。
機械学習や人工知能の技術の進歩により、これらの課題に取り組まれているものの、完全な解決はまだ難しいとされています。

日本語の相対的な表現

日本語でのコミュニケーションにおいては、「多い」、「少ない」、「大きい」、「小さい」といった相対的な表現が頻繁に使用されることがあります。
そこで、ChatGPTに対して、このような定量的でない表現が日本語特有の特徴なのかどうかを確認してみました。

(『昨日、あの動物園には多くの来客がありました。』
といったように日本語の文章で「多い」、「少ない」といった表現がありますが、本来であれば、
『昨日、あの動物園には、昨年に比べて多くの来客がありました。』
や
『昨日、あの動物園には、昨年に比べて103人ほど多い来客がありました。』
とすることでより具体的になります。
このように定量的でない表現が多いのは日本語特有でしょうか?
それとも英語でもこのように定量的でない表現は散見されますでしょうか?)
(日本語において「多い」や「少ない」といった表現は定量的でなく、相対的な表現です。このような表現が多いのは、日本語の特徴の一つと言えます。日本語では具体的な数値を示すことなく、相対的な比較や感覚的な表現を好む傾向があります。
一方、英語でも定量的でない表現は散見されます。例えば、「many」「few」「a lot」「several」などの単語は相対的な数量を表すために使用されます。また、「a considerable number」「a significant amount」などのフレーズも定量的な数値を示さず、相対的な大きさや量を伝えるために使われます。
しかし、英語では相対的な表現に加えて具体的な数値を示すことが一般的です。日本語ほど相対的な表現が多用されず、数値や数量については具体的な数字を用いることが一般的です。例えば、「103 people more than last year」のように、具体的な数値を示して比較することが一般的です。
言語によって表現の好みや特徴が異なるため、日本語のように相対的な表現が多い言語もあれば、英語のように具体的な数値を示すことが一般的な言語もあります。このような言語の特性を理解し、適切な表現を選択することが重要です。)

ChatGPTによると、相対的な表現が多いのは日本語の特徴の一つだとされています。
一方、英語でも定量的でない表現は見られるとChatGPTは続けて回答しました。
例えば、”many”、”few”、”a lot”、”several”などの単語は相対的な数量を表すために使用されます。
また、”a considerable number”、”a significant amount”などのフレーズも具体的な数値を示さず、相対的な大きさや量を伝えるために使われるようです。
ただし、英語では相対的な表現に加えて具体的な数値を示すことが一般的ですので、このような言語の特性を理解し、適切な表現を選択することが重要であるとされています。

まとめ

具体的な情報は、回答の範囲や特定の要素に関してより正確な情報を提供します。
ChatGPTを利用する際に限らず、数値や具体的な事実、明確な比較などを使用することで、質問や文脈を明確化することが重要です。
また、文脈や前提条件を明示し、曖昧さを解消することも重要です。

ChatGPTは自然言語処理のモデルであり、完璧な正確性や理解を保証するものではありません。回答は学習データに基づいて生成されますが、情報の正確性や確実性は保証されません。
そのため、回答を検証し、信頼性の高い情報源や専門家の意見を参考にすることも重要です。

具体性と明確さはコミュニケーションの質を向上させるために重要ですし、ChatGPTの回答においても同様に考慮すべき要素です。