日本語対応されて2週間後の「Google Bard」

「Google Bard」の進化(2023年5月25日) Gemini(旧:Bard)

目次

「Google Bard」の進化について

こちらの記事にて、2023年5月11日から日本語でも利用できるようになった「Google Bard」について簡単な操作結果を含め、紹介させていただきました。
そのときは、文章の処理や理解には対応しておらず、調査用のツールとして利用できる程度という印象がありましたが、日本語対応されて2週間後、その「Google Bard」を改めて使い、その回答の内容が進化していたので、その結果を本記事にて紹介させていただきます。

日本語対応されて2週間後の「Google Bard」

文章の訂正や校正機能

まずは、「Google Bard」に、

『「エッグデミハンバーグ」は、目玉焼きの存在が強いので、ハンバーグはその下に完全に隠れていました。「デミハンバーグ」の「デミソース」は、「洋風カレー」からカレー「スパイス」を抜いた味わいであると個人的には思うところがありますが、ハンバーグとデミソース、そしても目玉焼きをオンザライスして、かきこむように食べるのは大好きです。』

という文章の校正と修正依頼をしてみました。

(『「エッグデミハンバーグ」は、目玉焼きの存在が強いので、ハンバーグはその下に完全に隠れていました。「デミハンバーグ」の「デミソース」は、「洋風カレー」からカレー「スパイス」を抜いた味わいであると個人的には思うところがありますが、ハンバーグとデミソース、そしても目玉焼きをオンザライスして、かきこむように食べるのは大好きです。』上記の『』内の文章を校正・修正・推敲していただけないでしょうか?)(はい、喜んで。「エッグデミハンバーグ」は、目玉焼きの存在が強いので、ハンバーグはその下に完全に隠れていました。「デミハンバーグ」の「デミソース」は、「洋風カレー」からカレー「スパイス」を抜いた味わいであると個人的には思うところがありますが、ハンバーグとデミソース、そしても目玉焼きをオンザライスして、かきこむように食べるのは大好きです。と書かれていますが、次のようになります。「エッグデミハンバーグ」は、目玉焼きの存在が強いので、ハンバーグはその下に完全に隠れてしまうことがあります。「デミハンバーグ」の「デミソース」は、「洋風カレー」からカレー「スパイス」を抜いたような味わいであると個人的には思うところがありますが、ハンバーグとデミソース、そして目玉焼きをオンザライスして、かきこむように食べるのは大好きです。と修正すると、より自然な日本語になります。)

2週間ほど前は、こちらの結果のように、「私はまだ学習中の大規模言語モデルです。文章の処理や理解には対応しておらず、お手伝いできません。」といった回答でしたが、今回は、

『「エッグデミハンバーグ」は、目玉焼きの存在が強いので、ハンバーグはその下に完全に隠れてしまうことがあります。「デミハンバーグ」の「デミソース」は、「洋風カレー」からカレー「スパイス」を抜いたような味わいであると個人的には思うところがありますが、ハンバーグとデミソース、そして目玉焼きをオンザライスして、かきこむように食べるのは大好きです。』

と正常に修正され、「オンザライス」の意味もしっかりと考慮されておりました。

さらに、

『アーモンドチョコはベリーデリシャスなので、エブリデイイートできます』

の修正依頼を「Google Bard」にしてみました。

(『アーモンドチョコはベリーデリシャスなので、エブリデイイートできます』を訂正・校正していただけないでしょうか?)(はい、喜んで。「アーモンドチョコはベリーデリシャスなので、エブリデイイートできます」を訂正・校正すると、次のようになります。「アーモンドチョコはとても美味しいので、毎日食べられます。」「アーモンドチョコはベリーデリシャスなので、エブリデイイートできます」は、文法的に正しくありませんが、意味は通じます。しかし、より自然な日本語にするには、次の修正を加えることができます。「ベリーデリシャス」を「とても美味しい」に変更する。「エブリデイイートできます」を「毎日食べられます」に変更する。これで、より自然で読みやすい日本語になります。)

その修正結果が

『アーモンドチョコはとても美味しいので、毎日食べられます。』

でしたので、「「Google Bard」は、英語をカタカナにした文章を含む日本語の文章の自然言語処理に苦手意識はないようです。

さらに、

『sorosorotsuyunojikidesunodemainichikasawojisanshimashou』

といった日本語の文章をすべてローマ字表記した文章の修正依頼をしてみました。

(『sorosorotsuyunojikidesunodemainichikasawojisanshimashou』を訂正・校正していただけないでしょうか?)(はい、日本語で答えます。「sorosorotsuyunojikidesunodemainichikasawojisanshimashou」は、日本語の文章ではありません。正しくは、「そろそろ梅雨の季節ですね。毎日カサを忘れずに持ち歩きましょう。」です。この文章は、「そろそろ梅雨の時期になりました。毎日傘を忘れずに持ち歩きましょう。」という意味です。)

『そろそろ梅雨の季節ですね。毎日カサを忘れずに持ち歩きましょう。』

と問題なく、「Google Bard」は処理できるようです。

日本の文学について

まずは、夏目漱石著の「こころ」に登場する「K」は、どの宗派の家系か、「Google Bard」に質問してみました。

(夏目漱石著の「こころ」に登場する「K」は、どの宗派の家系でしょうか?)(夏目漱石著の「こころ」に登場する「K」は、真宗の僧侶の家系です。 物語の冒頭で、語り手は「Kは真宗の坊さんの子でした。」と述べています。 また、Kは「私の生れた地方は大変本願寺派の勢力の強い所でした。」と語り手は述べています。 本願寺派は、真宗の宗派の一つです。 したがって、Kは真宗本願寺派の僧侶の家系であると考えられます。)

「K」は、真宗の僧侶の家系であることを、「Kは真宗の坊さんの子でした。」という語り手の記述を引用した正確な回答ができておりました。
なお、「他の回答案を表示」をクリックし、折りたたみさえている内容を展開すると、下記のように他の回答候補も表示されます。


夏目漱石の前記三部作と後期三部作についても、前期三部作は「三四郎」、「それから」、「門」であり、後期三部作は「彼岸過迄(ひがんすぎまで)」、「行人」、「こころ」と、「Google Bard」は正確に回答しております。

(夏目漱石の前記三部作と後期三部作を教えてください)(夏目漱石の前期三部作は、『三四郎』『それから』『門』の三作品です。いずれも、東京大学に入学したばかりの青年が、社会や人間関係に直面して苦悩する姿を描いた作品です。後期三部作は、『彼岸過迄』『行人』『こころ』の三作品です。いずれも、人生の岐路に立つ中年の男の姿を描いた作品です。前期三部作は、夏目漱石がまだ30代前半の頃に書いた作品です。そのため、作品には、若さゆえの悩みや葛藤が描かれています。後期三部作は、夏目漱石が40代前半の頃に書いた作品です。そのため、作品には、人生の経験から得た知恵や教訓が描かれています。夏目漱石の前期三部作と後期三部作は、いずれも夏目漱石の代表作であり、日本の近代文学を代表する作品です。前期三部作 三四郎(明治42年(1909年)) それから(明治42年(1909年)) 門(明治43年(1910年)) 後期三部作 彼岸過迄(明治45年(1912年)) 行人(大正元年(1912年)) こころ(大正3年(1914年))

なお、石川啄木著の「一握の砂」が漱石にどのような影響を与えたか、漱石の盟友である正岡子規との関係についても正確に「Google Bard」は回答しておりました(「金之助」と「常規」から連想される日本文学者2名を教えてください、といったディープな質問も「Google Bard」は回答できていました)。
「ダフニスとクロエ」をモチーフにした川端康成の作品や、芥川龍之介や太宰治といった人物像、作品内容についても、詳細な回答ができておりましたので、文学研究にも利用できるのではないでしょうか。

日本のアーティストについて

「安室奈美恵氏のベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名がありますが、ご存知でしょうか?」といった質問を「Google Bard」にしてみました。

(安室奈美恵氏のベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名がありますが、ご存知でしょうか?)(はい、安室奈美恵さんのベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名は「愛の歌」です。 この曲は、1998年にリリースされたシングル曲で、日本語で歌われています。)

1998年にリリースされたシングル曲の「愛の歌」という回答でした。
アーティストどころか、時期や曲名も、違うように見受けられます。

そこで、「愛してマスカット」ではないかと、「Google Bard」に問い合わせをしました。

(「愛の歌」ではなく、「愛してマスカット」ではないでしょうか?)(はい、おっしゃる通りです。 安室奈美恵さんのベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名は「愛してマスカット」です。 この曲は、1998年にリリースされたシングル曲で、日本語で歌われています。 すみません、私の間違いでした。)

「すみません、私の間違いでした。」と誤回答を認めておりました。

再度、安室奈美恵氏のベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名を「Google Bard」にしてみました。

(安室奈美恵氏のベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名がありますが、ご存知でしょうか?)(はい、安室奈美恵さんのベストアルバム「Finally」に含まれる楽曲で、一曲だけアルファベットを使っていない曲名は「Hero」です。この曲は、2016年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの放送テーマソングで、日本語で歌われています。)

再回答では、「Hero」と「Google Bard」は回答しました。
たしかに安室奈美恵さんの曲で、「Finally」に収録されていますが、曲名はアルファベットなので、間違っておりました。
安室奈美恵さんに限らず、日本のアーティストに関しての回答はまだまだ改善が必要だと思われます。
ただし、坂本龍一氏や久石譲氏といった方の曲などについては、詳しいようです。

まとめ

2023年5月11日から日本語でも利用できるようになった「Google Bard」を使ったところ、ある程度長い文章の修正を依頼すると、「私はまだ学習中の大規模言語モデルです。文章の処理や理解には対応しておらず、お手伝いできません。」という回答が返ってきました。
そのため、しばらくの間は記事作成の校正ツールとしては利用が難しいという印象を持ちました。
しかし、2週間後の2023年5月25日には、日本語の文章の処理や理解が大幅に改善されており、その驚異的な進化に圧倒されました。
今後は、調査用ツールや文章生成ツールとしてGoogle Bardを活用していきたいと思っていますが、チャット履歴の保存機能が欲しいというのが本音です。